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TGTS01 試聴記 その7

公開日: : 最終更新日:2020/08/26 試聴記, SOUND MAGIC, ROCK


TGTS01試聴記を毎週書いていますが、
サンプルで聞いた人によると賛否両論だそうです。

何故だろう?
家では恐ろしく良い結果が出ているのに...、
と、つらつら考えるに、
まず、TGTS01の基礎となるプレーヤーのプラッターの材質です。
拙宅のプレーヤー群はTRIO、KENWOODで固めてありますので
(これは選んだものではなく集まってきた結果です^^;、
audio-technicaの新製品も1台ありますが、
アームの高さ調整ができないため問題外)、
拙宅のTRIO、KENWOODのレコードプレーヤーは、
すべて重量級のアルミダイキャストで、
そのためか、TGTS01の効果が非常に良い方向に出ています。
でも、世の中には鍛造金属や砲金製、その他の素材のプラッターもありますので、
全てを試していないことから、
どの程度、素材の違いで結果が違うのか見えてきません。
これはぜひTGTS01をご購入いただいて情報を共有したいですね(^^)。

また、アームの調整もあります。
TGTS01は厚さが8mmありますので、
プラッターにTGTS01を置いて、
カートリッジがレコード面に水平になっているかどうか?
アームの高さ調整が必須なわけです。
さらに、プラッターとTGTS01の間にスリップシートをはさむかどうかでも、
結果は変わってきます。

さらに重要なのは、
聞き手が今までどのような音をリファレンスにして聞いてきて、
どのような音が好みなのか?です。
小生がリファレンスにしている音は、
昔、安アパートに住んでいた関係でスピーカーが使えなかったことから、
STAXのイヤースピーカーでした。
実は今も同じです。

音の好みはひとそれぞれですし、
聞いているリスニングルームの環境や機材の関係もあり、
「これが正しい音」という絶対的な基準はありません。
あったら知りたいですが...。
生楽器でも、
弾く場所によって、あるいは聞く位置によって、
聞こえる音が変わる...
ということと同じです。
自分が納得できる音でレコードやCD、PC音源を聞けばよいわけです。

小生は、
いまレコードに回帰してしまったことから、
TGTS01試作品の恩恵にどっぷりはまっています。

で、今回は小生には珍しくロック!(^^)
と言っても、一般的なロックのLPは今はほとんど持っていませんから、
昔を懐かしんで中古盤で買い直したキング・クリムゾンの2枚。
小生は若い頃、プログレ青年でした。


キング・クリムゾン
「クリムゾン・キングの宮殿」
有名な「21世紀の精神異常者」や「エピタフ」が収録されている、
キング・クリムゾンの1969年にリリースされたデビューアルバムです。
若い頃に持っていたLPでも、
その後リリースされたCDでもそうだったのですが、
「21世紀の精神異常者」のベースの音が薄く、
「こんなものなのかなぁ...」と思っていました。
今回、中古国内盤LPをAESカーブで聞いてみました。
1960年代の終わり頃から1970年代の初期にかけて、
イギリスではプログレッシヴ・ロックやジャズ・ロックが大流行りでしたが、
どういうわけか、
いろいろ聞いてみても早弾きのベースの音がデッドでポコポコでした。
当時の流行だったのでしょうか。
キング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」も、
ことベースに関しては同じような傾向で、
AESカーブでベースラインが良く聞こえるようになったため、
そのことがよく分かりました。
イコライジングカーブを変えることで、
ベースの音が良く聞こえない、というストレスが大きく軽減されました。
そして、「エピタフ」と、
アルバム最後に入っている「クリムゾン・キングの宮殿」。
当時、最新の電子楽器であったオーケストラの音を再現するメロトロンが、
雄大に迫ってきます。
メロトロンを初めて聞いたのはムーディ・ブルース「サテンの夜」、
そして、ビートルズ「ストロベリーフィールズ・フォー・エバー」だったでしょうか。
ローリング・ストーンズのアルバム「サタニック・マジュスティーズ・リクエスツ」にも、
メロトロンは活躍していましたっけ。
ところが「クリムゾン・キングの宮殿」では、
「エピタフ」と「クリムゾン・キングの宮殿」の2曲は難物で、
メロトロンの音が歪んだり変に高域が強調されたり、
なかなかうまく再生できませんでした。
持っていたレコードプレーヤーもそれほど高級ではなかったですし。
今回聞いてみて、多少の録音の古臭さは感じながらも、
TGTS01の恩恵で、
最後まで透明感のある分離の良い音で聞くことができました。
やはり凄いですね、このアルバム。


キング・クリムゾン
「太陽と戦慄」
キング・クリムゾンにはやや低迷期がありましたが、
それを払拭するように1973年にリリースされた驚異的なアルバムが、
「太陽と戦慄」でした。
プログレッシヴ・ロックの当時の両横綱、
ピンク・フロイド「狂気(ザ・ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン)」と、
ほぼ同じころのリリースだったと記憶しています。
「太陽と戦慄」の繊細な音楽から、
パワフルで暴力的ともいえる音楽まで、
今聞いても、ちっとも古さを感じません。
これもまた、凄いアルバムだな...と思います。
このLPを買った当初、
しっかり調整していないプレーヤーでは、
そのパワフルで暴力的な音の出現に、
針が飛んでしまったり音が歪んでしまったり、
なかなか大変でした。
ダイナミックレンジの振幅が非常に大きなLPです。
友人たちの間でもそのことが話題になりました。
CDでリリースされた時には「やっとこれで安心して聞ける」
というファンもいたに違いありません(^^)。
若い頃、
小生の周りでバンドをやっていた音楽好きはみんな貧乏で、
優秀な装置でLPを聞ける友人は少なかったですし...。
それに、MMカートリッジを軽量針圧で聞いていた連中も多かったたため
(針圧は軽い方がレコードが減らない...てな変な信仰がありました)、
今考えると、「そりゃ、針も飛ぶわな」ですが。
これもAESカーブで聞いてみました。
最初のフィンガーハープからヴァイオリンの繊細な音色、
激しく暴力的なギターまで、
アームとカートリッジを調整、
TGTS01を敷くと、
当たり前のごとく最後まで違和感なく聞き通せてしまいます。
また、透明感が増すため、
当時のキング・クリムゾンがこのアルバムに忍ばせたさまざまなアイデアを、
「あ!こんなことも、あんなことも」と気が付くことができ、
非常に刺激的でした。

昔持っていたロックのLPをあれこれ買い直したい気持ちはありますが、
案外、中古盤は高価で、
今、クラシックのLPが自宅に溢れかえっていることから躊躇しています。

でも、いろいろやってみるもんですね。

どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら

kna_baka@syuzo

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