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TGTS01 試聴記 その12

公開日: : 試聴記, CLASSIC, SOUND MAGIC


小生が試聴に使っているのは試作品です。
製品版TGTS01も試聴しましたが、試作品よりもずいぶんといいですね(^^)。
なお、TGTS01はSONIC IMPACTというブランド名での発売です。


エルネスト・アンセルメ指揮
スイス・ロマンド管弦楽団
リムスキー=コルサコフ:「シェエラザード」

国内盤です。
アンセルメには2種類の「シェエラザード」のセッション録音があります。
一つはパリ音楽院管弦楽団、
もう一つは、
アンセルメのオーケストラであったスイス・ロマンド管弦楽団の録音です。
今回は、そのスイス・ロマンド管弦楽団とのセッション録音。
小生の中古盤は、
白ラベルに「見本盤」「非売品」と印刷してあり、
評論家やレコード屋さんに送られたものが、
中古盤屋さんに流れたもののようです。
小生、レコードを検盤せずに投げ売りを買いましたので、
そのことに気が付きませんでした。
中古盤屋さんによっては、「試聴盤」「見本盤」は扱わない、
というポリシーのお店もあります。
家に来た当初は洗浄不足で、
あまり状態は良くありませんでしたが、
しつこく洗浄、ノイズはほぼなくなりました。
傷もなく、良い買い物でした。
こうなると、「新品同様」ですね。
うれしい(^^)。
ffrrカーブかな?と思って聞き始めましたが、
少し異なります。
RIAAカーブで普通の音なのですが、
パラメトリックイコライザーを使ったNew Orthophonicもどきで音が激変、
もの凄く深い音で、
録音場所となったビクトリア・ホールの残響までもがしっかりと聞き取れます。
また、木造建築のホールの中で、
客席に聴衆がいない孤独感というか、
その寂寥感までもが、まざまざと聞き取れます。
これ、夜中に録った録音ではないだろうか...などと想像してしまいます。
独特の響きですね。
TGTS01のメリットは、
何回も書いている通り、
その解像度の高さとリニアリティです。
DECCAのアンセルメの録音には優秀録音が多いと言われていますが、
そのことが如実に分かるという結果でした。
「シェエラザード」も素晴らしいですが、
フィルアップされている、
ボロディン:「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊りと合唱」の素晴らしさには、
素直に脱帽です。


オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ワーグナー:管弦楽曲集

CD初期の頃、勇んで買ったCDに、
クレンペラーのワーグナー:管弦楽曲集がありました。
なぜ勇んで買ったのかというと、
国内盤LPでは強奏で音が歪み、
待っていたCDがリリースされ、
CDだったら大丈夫だろう...
と考えたからです。
ところが、CDでも同じように音が歪み、
後のart盤(アビー・ロード・テクノロジー盤)も買いましたが、
あれ~...これもか...という結果でした。
クレンペラーの同録音はきっとマスターテープから音が歪んでいるんだ、
とあきらめていました。
演奏は素晴らしいのに....。
数年前、
オーディオのイベントで名古屋に行った折、
その会場内に名古屋の中古盤屋さんが店開きしていました。
そこで見つけたのが、
同じ録音のドイツ・プレスのElectrola2枚組LPです。
ダメもとで買って大正解でした。
最初は、少し歪むかな?という個所もありましたが、
あまり気になりませんでした。
そこで今回、TGTS01とNew Orthophonicもどきで聞いてみると...、
げげっ!音が全然歪まない(^^)。
そして、ものすごい迫力!
プレーヤーの調整が、
以前はいかにいい加減だったのかという反省をしながら、
TGTS01のリニアリティ、
New Orthophonicもどきのもたらすぴったりフォーカス感に、
最初の「リエンチ」序曲から聞き惚れてしまいました。
クレンペラーは元々オペラ指揮者です。
ワーグナーは隅々まで知っている指揮者といっていいかも知れません。
その、即物的なのに圧倒的に大きなスケール感、
ぶっきらぼうなのに、
楽曲に聞き手を引きずり込んでしまう有無を言わせない音楽に、
ただただ、圧倒されっぱなしでした。
我がクナッパーツブッシュのワーグナーとは異なりますが、
クレンペラーのワーグナーもまた、説得力に溢れた演奏録音でした。
凄い!

どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら
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