QUADRAL GALAN 9 試聴記 その10
フランスのCharlin(シャルラン)というレーベルは、
名レコーディングエンジニア、
アンドレ・シャルランのレーベルです。
シャルランはワンポイントステレオ録音の独特な音で、
LP時代、ファンが多かったレーベルでした。
「シャルランのLPなら何でも買う」
という人も少なからずいました。
実は小生もそうでした(^^;。
国内盤では飽き足らず、フランス盤も漁ったものでした。
日本にはあまり馴染みのない作曲家や楽曲が多かったですが...。
シャルランのレコードは、
かなり前、
PALLETTEやVENUSレコードという日本の会社から一部CDで復刻され、
最近では、
ヨーロッパでかなりの復刻があったようです。
そのシャルランのレコードの中に、
ガストン・リテーズという盲目のオルガニストによる、
J.S.バッハ、ディートリヒ・ブクステフーデ、フランソワ・クープラン、
ニコラ・ドゥ・グリニー、ルイ・クロード・ダカンの
オルガン曲を集めたアルバムがあります。
リテーズのオルガン名曲集第1集、第2集あるうちの第1集です。
小生はとっくにLPは手放してしまいましたが、
VENUSが復刻したCDを入手していました。
あのLP、手放さなければよかったと悔やむのですが、
後の祭りですね(- -;。
アナログのワンポイントステレオ録音は、
LPでこそ、その真価を発揮するということもありますので。
それに、高音の出方が少し違うようで...。
まあ、気を取り直してCDを聞きましょう(^^)。
GALAN 9で再生すると、
冒頭のバッハ「トッカータとフーガ ニ短調」から凄いのなんの!
何の音の暴れもなく、
眼前に教会の高い天井に響くオルガンの音が、
上下左右にグワッ!と拡がります。
Fレンジ、Dレンジとも広大な録音で、
さらにワンポイント録音のため、
その音像と録音会場である教会の空気感までが、
2本のスピーカーを飛び越えて定位します。
リテーズはフランスのリールにある、
サン・ピエール サン・ポール寺院のミュラー・オルガンを弾いています。
4曲目に、
比較的静かなブクステフーデのコラール前奏曲
「ああ主よ、貧しき罪人なる我を罰したもうな」
が収録されていますが、
そのペダルの深い音は凄いです。
GALAN 9の兄貴分、RODAN 9では低域が少々出すぎかな?
とも思えたのですが、
GALAN 9ではちょうどよい低域が響きます。
オルガンの録音には、
もっと解像度に優れた録音も数多くありますが、
その場の雰囲気までも伝えてくれる、
ということでは、
オルガンのCDやレコードの中でも、
このシャルラン盤は好きな録音の一つです。
GALAN 9の優れた解像度、
広大な周波数特性、
立体的な音場感を堪能できるアルバムでした。
リテーズのこのアルバムは、
PALLETEやVENUSが廃盤になり、
ヨーロッパ盤で復活したCDでも、
「入手しやすい」とはいえないのかもしれません。
でもショップで検索をかけると出てきますので、
うまくゆけば入手できる可能性があります。
現代のHIFIではありませんが、
非常に雰囲気の豊かな録音を聞くことができます。
【GALAN 9のスペック】
形式:2ウェイ バスレフ
出力:80/140 W
周波数特性:36…65.000 Hz
クロスオーバー周波数:2900 Hz
能率:85 dB
インピーダンス:4Ω
トゥイーター:quadral quSENSE アルミニウム リボン
ウーファー:155mm quadral ALTIMA
寸法(w x h x d):33 x 21 x 29 cm
重量:10 kg/1台
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