オーディオラックSOUNDMAGIC XU03FSⅡ導入記7(音質評価編)
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最終更新日:2017/06/08
試聴記, SOUND MAGIC, etc...
今回はワールドミュージック及びサウンドトラック盤を聴いてみました。
■ワールドミュージック・サウンドトラック編
・アストル・ピアソラ:Tango zero hour(SACD 国内盤)
ピアソラの後期代表作。
ピアソラは、クレーメルやヨー・ヨー・マが取り上げ、日本でもブームになりました。
私が聴き始めたのは随分後になります。縁あってお邪魔した葉加瀬太郎のアパレルショップでのプライベートライヴの演奏がきっかけでした。
しばらくNonesuchレーベル盤を聴いていましたが、American Claveレーベルの本盤は解像度が高く、空気感が濃密で素晴らしい。
演奏は、バンドネオンとバックの掛け合いの緊張感が徐々にヒートアップし、最後には何とも言えない高揚感に包まれます。
私自身、魂を強く揺すぶられたような感覚を覚え、精神が解放されたかのようなトリップ感を感じるほどです。
ピアソラの演奏を語る際は、こんな感じで直感的になってしまいます。
XU03FSⅡでは、コントラバスの分離が良く、バンドネオンの持続音が非常にクリアに聴こえ、フォルテシモやヴァイオリンとのユニゾンでも混濁感を感じません。
聴感上のダイナミックレンジが広く、浴びるようにヴォリュームを上げてしまいました。
・ライ・クーダー:Paris Texas(CD US盤)
同名映画のサウンドトラック盤。
表題は、テキサス州の小さな町の名。テキサスを放浪していた男の家族との再会と別れを描いたロードムービー。
物語は、妻子を捨てて失踪した男をその弟が迎えに行くところから始まります。
静かな展開とともに、冒頭からのミステリアスで言葉を忘れたかのような主人公にどんどん引き込まれていきます。
さて、肝心のサウンドについてですが、乾いたギターの音色が不安定に揺れる不思議なサウンドが、テキサスの荒涼な砂漠を連想させます。
映画を見ていなくとも一枚のアルバムとして、指弾きやボトルネック奏法を駆使したライの世界が堪能できます。
ライ・クーダーといえば、Buena Vista Social Clubもお気に入りです。ワールドミュージックの括りとしてどちらを取り上げようかと考えましたが、今回は本盤としました。
防弾ガラス製法ラックでは、ギターがかなりONで録られているのが良く判ります。
ボトルネックの滑る音や低音域の音色が生々しく聴こえます。
大変にSN比が高く、背後にさりげなくパーカッションが鳴っているのが、音楽に厚みを添えて聴こえます。
・ホセ・フェリシアーノ:Feliciano! (アナログ ドイツ盤)
ラテンポップの大御所の代表作。
プエルトリコ出身の彼の英語版アルバム。ドアーズやママス&パパス、ビートルズのカバー等を収めています。
強烈なパッションを解き放つギターと歌声は、一曲目から聴くものを魅了します。その「California Dreamin’」は、彼独特のリズム感とグルーヴ感が冴えわたり、寒い日の灰色の空のカリフォルニアを、夕暮れカリブの空に変えたかのようです。
録音が良いアルバムでは無いのですが、彼の演奏が、ピュアで音楽の圧が高く、音楽に没頭できる極上の一枚です。
ギターの名手としても名高く盲目のハンディを乗り越え、世界的な成功を収めた彼は、今でも精力的に活動し、日本へも度々来日しています。一度は生で聴きたいと思っています。
XU03FSⅡでは、ヴォーカルが右寄りパーカッションがその右側、対して打楽器が左寄りストリングスは左側といった独特の定位が良く判ります。
再生音は、比較的クールではあるのですが、フェリシアーノの声はどこまでものびやかに聴こえ、ギターの弦にガット弦が使用されている事が良く判ります。
・チベットの仏教音楽:大慈悲タントラ・マハーカラの秘呪 (アナログ US盤)
NONESUCHレーベルのフィールドレコーディングされたシリーズ。
David Lewistonが西北インド・ヒマチャル・ブラデュ州ダラハウズィ地区で録音。
民族音楽の括りになるのでしょうか。僧侶たちの祈りの読経。日本の読経とは違い、独特の発声で一人で和音を奏で超低音が響き渡ります。
徐々に鳴り渡る法具の音色とともにメディテーションを超えたヒーリングの世界に誘われます。
録音も良く、オーディオ的にも面白いディスクです。
防弾ガラス製法ラックでは、超低域まで発声する和音を含んだ読経が奥に定位し、シンバルのような法具が前方にきれいに並びかなりの人数だという事が判ります。
ダマルのような打楽器の連打が加わるクライマックスでは、声や法具の分離が良好です。
次回は、試聴総評を記したいと思います。
TUNTUN
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