QUADRAL GALAN 9 試聴記 その9
ベルギーの作曲家ウジェーヌ・イザイは、
無伴奏ヴァイオリンソナタがことのほか有名で、
多分、それしか知られていないと思いますが(^^;、
魅力的な管弦楽曲も数多く作曲しました。
今回取り上げるのは、
日本で付けられたタイトル、
「ヴァイオリン独奏曲さまざま~管弦楽の響きを添えて~」
という、ヴァイオリンと管弦楽による楽曲集です。
イザイは音楽史的には民俗楽派というより後期ロマン派に属する作曲家で、
ドイツのマックス・レーガーなどと、
気分的には非常によく似ています。
静かな部分では、
ドイツで生まれ、
イギリスで活躍したディーリアスを彷彿とさせる箇所もあります。
最近、ベルギーのレーベル、
“MUSIQUE EN WALLONIE”というレーベルから、
イザイの管弦楽を伴った作品が2枚リリースされ、
日本の株式会社マーキュリー(アメリカのMercuryとは別です)から、
輸入販売されています。
これが大変優れた録音で、
最新録音技術の威力をまざまざと見せつけてくれます。
イザイの楽曲は非常にロマンティック、
かつパステルカラーのように少し地味ながらも色彩感が豊かで、
うねうねと続く夢見るような音楽が魅力です。
優れたヴァイオリニストでもあるジャン・ジャック=カントロフが指揮、
その他、ベルギーの優れたヴァイオリニストと、
ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニーの演奏録音です。
ヴァイオリンの魅力的な音色、
厚みはあっても解像度抜群の管弦楽など、
GALAN 9で聞くと、
眼前にその豊かな音宇宙が拡がってゆきます。
ダイナミックレンジンの広大さはもちろん、
低域から高域のつながりも見事で、
最新デジタル録音も、
耳のいいエンジニアであれば、
こういう音を収録することが可能だ、
という見本のような音が聞けます。
イザイの音楽は一般的には、
地味であることは否めませんが、
その音楽は非常に魅力的です。
音楽ファン、オーディオファンとも、
是非盤でお勧めできます。
【GALAN 9のスペック】
形式:2ウェイ バスレフ
出力:80/140 W
周波数特性:36…65.000 Hz
クロスオーバー周波数:2900 Hz
能率:85 dB
インピーダンス:4Ω
トゥイーター:quadral quSENSE アルミニウム リボン
ウーファー:155mm quadral ALTIMA
寸法(w x h x d):33 x 21 x 29 cm
重量:10 kg/1台
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