*

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その7

公開日: : 試聴記, CLASSIC, QUADRAL, SEDAN 9


SEDAN 9は古楽器の演奏録音にもいいのでは?
ということで、ロンドン・バロックの
ヘンリー・パーセル/弦楽によるファンタジア集を聞きました。
1983年の録音ですから、
まだ古楽器での演奏が新鮮さを保っていた頃ですね。
少し古いか...。
ロンドン、テンプル教会の録音で、
残響音が非常に豊かです。
いわゆる風呂場の録音です。

初めてこのCDを聞いた時は、
その残響音の多い録音に夢中になりました。
もの凄い残響音の中から聞こえてくる音楽は、
何だか、もやもやとした夢の中で音楽を聞いているようで、
もの凄く心地よかったことを覚えています。
日本のタージマハール旅行団のインプロヴィゼーションは、
エコーマシーンによる人工的な残響音が凄かったですし、
さらに、ECMのパウル・ギーガーによる、
確か洞窟で録音したヴァイオリンのインプロヴィゼーションがあり、
それも、
もの凄いエコーの渦でしたが、
パーセルはイギリス・バロックのクラシック音楽です。
パーセルの音楽は皆このようなものか?
と安易に誤解した小生は、
いろいろとパーセルの楽曲集を漁るのですが、
残念ながら、
ロンドン・バロックの
ヘンリー・パーセル/弦楽によるファンタジア集のような録音には、
出会うことはできませんでした。

SEDAN 9で聞くと、
今までのスピーカーと同じように残響音は変わらないのですが、
その解像度の高さに、
残響音にばかり耳が行くということはありません。
弦楽器のほかにハルモニウムも演奏されているのですが、
弦楽器とハルモニウムの音が溶け合いながらも、
しっかりと別の楽器の音として聞こえてきます。
ほとんどのスピーカーは、
弦楽器とハルモニウムの音が区別できず、
別の楽器として聞こえてこないため、
見逃すことの方が多いと思います。
さらに鮮度が非常に高く聞こえるため、
豊かな残響音の中にも音楽が生きているように聞こえます。

楽曲は緩やかに、
またものすごい残響音の中にも、
哀愁を含んだ旋律が奏でられてゆきますので、
劇的で刺激的な音楽・音響ではなく、
ゆったりとした気分で音楽に浸りたいときには、
ぴったりの音盤です。


続いて、
バロックというより後期ルネッサンスの作曲家ですが、
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ・ゲントの、
ラッスス(ラッソ)/「ダヴィデの懺悔の詩篇」を聞きました。
2003年の録音で、
教会で録音されたものかどうかは分かりませんが、
おそらく教会か、
それに近い修道院での録音ではないかと思います。
残響音はロンドン・バロックのパーセルに比べると少し控えめです。
ラッススの楽曲もさることながら、
演奏、録音とも素晴らしく、
敬虔さと、
神にその身を捧げる官能も聞き取れるほどで、
もし、この演奏現場にいたら、
感動で身動きができないのではないか、
と思われるほどです。

SEDAN 9はこの美しい録音を、
余すところなく再現してゆきます。
天井の高い場所での録音で、
その音の溶け込み具合が非常に心地よく、
溶け込みながらも少人数の混声合唱の分離が非常によく聞こえるため、
ひとりひとりの息遣いが聞こえるようで、
キリスト教の宗教音楽という枠を超えて、
聞き手に豊かな感興をもたらしてくれます。


もう1つ、
モンテヴェルディ合唱団やザ・シックスティーンのトップを歌う、
エリン・マナハン・トーマスの、
“Eternal Light”と題されたソロ歌曲集を聞きました。
マルPは2007年でSACDハイブリッドです。
これは凄いです。
この世のものではない音楽というか、
天上の歌声を聞きたければ、
エリン・マナハン・トーマスの”Eternal Light”は一押しです。
2曲目、ヘンデル/「神々しい光の永遠の源泉」では、
あちらの世界に連れてゆかれそうな凄みのある高音が聞けます。
正に天国的な美しさです。
アルバムにはバロックだけではなく、
ヨーロッパ中世やルネッサンスの歌曲も含まれますが、
アルバム全部を通して至福の時間を得られます。

こういうアルバムでは、
QUDRAL AURUMシリーズの真骨頂が聞けます。
SEDAN 9では、
限界を感じさせない、
どこまでも突き抜けるような高音が聞け、
エリン・マナハン・トーマスの凄さを思い知らせてくれます。
それでいて非常になめらかで刺激的な高域ではないところが、
AURUMシリーズの凄いところです。
どこまでもエリン・マナハン・トーマスの高音が伸びてゆきます。
エリン・マナハン・トーマスは低域はあまり得意ではないようですが、
そんなことはどうでもいいくらいに、
陶酔するような高域の歌声はすさまじく魅力的です。
バッハ/「愛のためにわが主は死んでゆかれる」も非常に素敵で、
その歌声に吸い込まれそうです。
このアルバムの白眉はヘンデルやダウランドの有名な歌曲でしょう。
どれも今まで聞いたことがないような、
宝石のような輝きを持った歌を聞くことができます。
パーセル/「私が地に横たわる時」や、
続けて収録されているダウランド/「もう泣かないで、悲しみの泉よ」の、
深く沈み込むような歌も凄いです。
最後のモンティヴェルディ/「さあ、私はあなたを見て喜び」の
カウンター・テナーとのデュエットも感動的です。

SEDAN 9でいろいろな音楽の奥行きというか、
深さをあれこれ聞くことができるのは、
役得とはいえ幸運でした。
でも、時期が来たら返却しなければならないんですよね(:_:)。

なお、販売はブラックになります。
SEDAN 9
型式:2ウェイ バスレフ型 ブックシェルフスピーカー
定格出力:120W
ミュージックパワー:180W
再生周波数帯域:33Hz~65,000 Hz
クロスオーバー周波数:2800 Hz
能率 (dB/1W/1m):85 dB
インピーダンス:8 Ω
ツイーター:quadral quSENSE® リボン型
ウーハー:180 mm φ quadral ALTIMA®
レベルコントロール:トゥイーター±2dB
外形寸法 (高さx幅x奥行):39 x 23 x 35 cm
重量:14.5 kg(1本)
価格:570,000円(税別・ペア)

なお、SEDAN 9(ブラック)は入荷しております。
全国のQUADRALを扱っていただいている、
オーディオ専門店でご注文可能です。
ぜひ専門店でご注文ください。
ただ、近くにオーディオ専門店がない、
あるいはネットショップなどでアカウントがない、
という方は、以下からご注文可能です。
SEDAN 9

関連記事

2017年5月7日、ポタフェスに出品しました

大阪で「ポタフェス」が開催、 弊社もORB様のブースでQUADRAL RODAN 9を展示、た

記事を読む

QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その6

今回は、 知られざる作曲家の作品の素晴らしさと、 録音の素晴らしさに驚いた、 ジョルジ

記事を読む

QUADRALチーフエンジニア来日

先日、ドイツよりQUADRALのチーフエンジニアSascha Reckertがプロモーションの為、来

記事を読む

QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その3

今回はLPで、 アンドレ・プレヴィン指揮ピッツバーグ交響楽団の、 エルガーやハーティが編

記事を読む

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その16

ワーグナーの楽劇からの音楽は、 陶酔するような耽美的な部分があり、 ドイツの伝統的な器楽

記事を読む

QUADRAL GALAN 9 試聴記 その13

GALAN 9は、 室内楽、器楽曲、独唱曲に、 信じられないくらい抜群の威力を発揮します

記事を読む

AURUM TITAN9を聴く

3月よりダイナミックオーディオ5555 4FにてAURUM TITAN9を展示頂いています。 先日

記事を読む

QUADRAL GALAN 9 試聴記 その6

今回でクナッパーツブッシュの音源試聴はラストです(^^;。 ハンス・クナッパーツブッシ

記事を読む

QUADRAL RHODIUM200 試聴記 余録その2

QUADRAL RHIDIUM200を外し、 元の友人作ブックシェルフに戻しました。 と

記事を読む

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その10

カラヤンが亡くなって既に28年が経つのですね。 小生の子供のころから、 おじさんになって

記事を読む

QUADRAL RHODIUM200 試聴記 余録その2

QUADRAL RHIDIUM200を外し、 元の友人作ブッ

QUADRAL RHODIUM200 試聴記 余録 

QUADRAL RHODIUM200は残念ながら販売終了ですが

QUADRAL RHODIUM200 試聴記 その5

オーディオ機器の試聴会によく使われる音楽に、 リヒャルト・シ

AURUM TITAN9を聴く

3月よりダイナミックオーディオ5555 4FにてAURUM TITAN

QUADRAL RHODIUM200 試聴記 その4 一家に1台パラメトリックイコライザー

今、以前なら考えられなかったことをいろいろ実験中です。 あら

→もっと見る

  • 住所
    〒559-0031123
    大阪府大阪市住之江区南港東1-2-16
    ネットワークジャパン株式会社


PAGE TOP ↑