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TGTS01 試聴記 その14

公開日: : 試聴記, CLASSIC, SOUND MAGIC


小生が試聴に使っているのは試作品です。
製品版TGTS01も試聴しましたが、試作品よりもずいぶんといいですね(^^)。
なお、TGTS01はSONIC IMPACTというブランド名での発売です。

クレンペラーの演奏録音を小生よく取り上げますが、
録音がいろいろと多いため、
CD、LPを含めて、
その録音された音に失望していたものが、
今回、TGTS01を敷いてみたり、
イコライジングカーブを変えたり、
パラメトリックイコライザーを使ったりで、
あらためてLPで聞き返して、
認識を変えたという場合が多いです。
同じ録音であっても、
LPでは日本の発売元であった東芝のその時々の盤質の違いとか、
輸入盤(それもUK、USA、ドイツプレスで音が変わる^^:)での音の違いとか、
イコライジングカーブを変えたら、
演奏そのものが見違えるほど変わって聞こえたとか、
TGTS01を使っていて、
そのリニアリティのよさから、
歪みっぽかった録音が一気に同じクオリティで聞けてしまうとか、
とにかくこういう体験ができるのは、
数多い指揮者の中でも、
クレンペラーの録音が随一ではないかと思っています。
EMIだけではなくVOXのLPを入れたら、
それこそとんでもないことになるので集めていません(^^;。
ラックにレコードが入りきらなくなってしまう...。

小生のCDからLPへの回帰の一因は、
トスカニーニとオーマンディのLPでした。
そこに、ワルターやクナッパーツブッシュの買い直しが増え、
好きな室内楽やヴァイオリン、ピアノ曲を入れると、
レコードは自然増殖しているのではないか?
と思えるほど、増えてゆきますね(^^;。
クレンペラーの輸入初期盤LPは中古盤価格が非常に高いため、
買わないようにしていますが、
それでも、安価で手の届くものがあったら手が伸びてしまいます。
今回はその中で、
ブルックナー:交響曲第9番の国内盤。


オットー・クレンペラー指揮
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
ブルックナー:交響曲第9番

クレンペラーのブルックナー録音は案外多く、
第4番「ロマンティック」から第9番まで、
EMIにステレオ・セッション録音を残しました。
それぞれが演奏・録音を含めて独特の位置を示しています。
第8番など、第4楽章に大幅なカットがあったりしますが、
その他の交響曲では、
クレンペラーはブルックナー指揮者だったとはあまり思われていないのに、
非常に優れた一聴に値する録音ばかりです。
第4番「ロマンティック」は、
長岡鉄男A級セレクションにも入っている、
オーディオファンには鉄板のレコードかも知れませんね。
第9番は1970年の録音で、
クレンペラーの晩年の録音です。
LPで第9番を聞き直してみて、
オーケストラに多少のゆるみを感じますが、
晩年のクレンペラーはオーケストラの縦の線がずれているのも何のその、
悠然としながらも緻密ともいえる構造的で、
しかも情感も逃していない演奏を繰り広げています。
A面B面とも収録は30分ありますので、
LPとしては押し込み型ですが、
収録されている音としては悪くなく、
TGTS01で聞くと、そのことを忘れます。
第2楽章スケルツォはA面B面に渡って泣き別れですが、
スケルツォ楽章のためか、
我慢して聞くことができます。
国内盤LPであってもTGTS01では解像度が非常に高く、
リニアリティもよいことから、
CDの音(小生のCDは初期盤です)よりも、
圧倒的な音のよさで聞くことができました。
さらに、RIAAカーブをパラメトリックイコライザーを使った
New Orthophonicカーブもどきにして聞くと、
音場感がよりはっきりとして聞こえ、
包み込まれるような感覚が味わえます。


クラウス・テンシュテット指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ブルックナー:交響曲第8番

ブルックナーの交響曲、
ロンドンのオーケストラによるブルックナーのLPが続きます。
それもEMI録音...。
テンシュテットはマーラーの交響曲録音で人気を博し、
最後の録音(マーラー:交響曲第7番のライブ録音)に至るまで、
マーラー指揮者というイメージが強いですが、
出世作はブルックナー:交響曲第8番でした。
当時の東ドイツから西側に亡命、
ヨーロッパで活動していましたが、
1974年に小澤征爾に招かれてボストン交響楽団に客演しました。
その熱いブルックナー:交響曲第8番に、
アメリカの聴衆から熱狂的に迎えられたことで、
テンシュテットの飛躍が始まりました。
テンシュテットのブルックナーは、
どちらかというと軋轢型のブルックナーです。
非常に人間臭いというか、
各フレーズが感情に訴えかけてきます。
小生の持っている、
今回取り上げるテンシュテットのブルックナー:交響曲第8番のLPは、
ドイツプレスのElectrola盤です。
理由は簡単、UK盤よりも中古盤価格が安かったからです(^^;。
ジャケットはあまりきれいではありませんが。
中古LPを買ってまだ最初の頃、
いろいろLP再生で工夫をする前には、
どこか軽い音に感じてしまい、
CDの方がましかなぁ...などと思っていました。
ところが、TGTS01を導入、
リニアリティが抜群に良くなると同時に、
パラメトリックイコライザーを使った、
New Orthophonicカーブもどきで音が激変、
軽かった音の重心が下がり、
音場感のフォーカスが合ったことから、
感激しながら聞くことができました。
音楽のディテールが、
より明確に聞けるようになったというべきでしょうか。
2枚組で各楽章ごとに面割がしてあり、
非常にありがたいのですが、
第3楽章と第4楽章は非常に長く、
さて、音が歪まないか?
前に聞いた時にはどうだったっけ...
と思っていたら、今回は全く歪みません。
ごく自然に、
没入しながら全曲を聞き通してしまいました。
TGTS01効果というか、その恩恵は計り知れないですね。

なんでもやってみるもんだなと思います。

どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら
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