*

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その5

公開日: : 試聴記, CLASSIC, QUADRAL, SEDAN 9

知人からクナッパーツブッシュの古いLPの板起しCDRが届き、
それを聞いているうちになんだか懐かしくなり、
自分が音楽を聞く主戦場たる、
クナッパーツブッシュの残された音源に手を伸ばしました。

板起しCDRはちょくちょく、いろいろな方が送ってこられます。
大ファイル転送サービスでダウンロードすることもあります。
CDやその他のデジタル音源よりも、
ご自分のLPの再生音の方がよいのではないか、
あるいは、古い音源の再生方法はご自分の方法で合っているだろうか...、
また、純粋にレコードの音が好きで再生してみたので聞いてみてほしい、
さらには、イコライザーカーブを変えたら面白い音になった、
という方が多いです。
大体、50年以上前の録音です(^^;。
中には「ほほう!」と唸るような再生音を聞けることもあります。
ただ、ご自分のアンプやスピーカーと小生の再生環境は異なりますので、
小生が同じような音で聞いているか?
ということになると少し心もとない気がします(^^;。
でも、色々な方の再生音を聞かせていただけるのは、
非常に参考になりますし、楽しいです。


で、手を伸ばしたクナッパーツブッシュのCDは、
WESTMINSTERの1962年録音、
ワーグナー管弦楽曲集の1、
MCAビクターが復刻した古いCDです。
日本ビクターの担当者がWESTMINTERの倉庫で、
マスターテープを探し出して復刻した曰くつきのCDです。
20bitK2のCDで、
今ではタワーレコードが復刻しています。
ところがこのCDをSEDAN 9で聞いて、
のけぞるほど驚きました。

WESTMINTER盤のクナッパーツブッシュのステレオ録音は、
ブルックナー/交響曲第8番
ワーグナー/管弦楽曲集 1と2、
ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲があります。

SEDAN 9で試聴、
最初の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲から、
その再生音の生々しさに驚くことになりました。
WESTMINSTER盤は、
ミュンヘンのバイエルン(バヴァリア)スタジオでの録音で、
その録音された音はデッドです。
デッドながら録音は非常に優秀で、
MCAビクター盤は、
同録音のLPや初期CDの頃から想像できないほど、
リアルな音になっています。

SEDAN 9で再生すると、
まるで、クナッパーツブッシュの座る指揮台の傍らで
スタジオでの音響に飲み込まれながら聞いているような雰囲気です。
それも、ステージや整理整頓されたスタジオではなく、
ケーブルがあちこちに這いまわり、
マイクが要所要所に立てられた、
とっ散らかったスタジオを想像させられます。
その生々しさには目を見張るほどです。
録音風景の写真を見ているからかもしれませんが...。
さらに、コンサートや録音の本番を聞いているというより、
リハーサルを聞いているような雰囲気です。
クナッパーツブッシュは元々リハーサルが嫌いで、
録音でも一発勝負を好んだ指揮者ですが、
その特徴がよく出た、
原石を聞くような録音といえばいいでしょうか。
例えば、
ここからフルトヴェングラーは音楽に表情を付けて、
劇的な展開をしていったなとか、
カラヤンは管弦楽をさらに磨いて、
カラヤンサウンドとも呼べる独特の音響美の世界を作ったな、
ということが想像できるような演奏録音です。
オーケストラは異なりますが。
しかし、
結局はどのワーグナーの演奏録音よりも、
クナッパーツブッシュでしかなしえないような、
ワーグナー体験をもたらしてくれます。

SEDAN 9は、
チャンネルセパレーションに優れていると以前に書きましたが、
この録音でもそのことは如実にわかります。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンは対抗配置で、
その他の弦楽器群はストコフスキー配置とは異なる折衷型です。
ジャケットの表紙裏にオーケストラの配置図が載っていますが、
SEDAN 9からは、
まさにその通りの配置でオーケストラの音が聞こえてきます。
さらにマスターテープの保存状態も良かったようで、
演奏者の息遣いまでもが分かるような生々しさです。

2曲目「タンホイザー」序曲の木管楽器の質朴な響きは、
「ああ、クナッパーツブッシュだなあ」と分かるほど、
特徴的です。
他の指揮者のように、
オーケストラの音を整えたという印象はほとんどありませんが、
これだけリアルに、
ワーグナーの音楽に寄り添った演奏を聞くと、
ドイツ人にとってワーグナーは特別な存在だったんだなと納得できます。
音楽づくりも「磨き上げる」というよりも、
即物的にザッハリッヒで、
なんだかアマチュアオーケストラの演奏を聞いているようでもありますが、
聞きながら、
あるいは聞き終わっての充足感は並ではありません。


結局、
ワーグナー管弦楽曲集の2まで聞いてしまい、
弦楽器の美しさが際立つ、
1に収録されている「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、
「パルジファル」第1幕への前奏曲、
2に収録されている「ローエングリン」第1幕への前奏曲など、
自分の好きな楽曲、演奏であるだけに陶酔しながら聞けました。


なお、販売はブラックになります。
SEDAN 9

型式:2ウェイ バスレフ型 ブックシェルフスピーカー
定格出力:120W
ミュージックパワー:180W
再生周波数帯域:33Hz~65,000 Hz
クロスオーバー周波数:2800 Hz
能率 (dB/1W/1m):85 dB
インピーダンス:8 Ω
ツイーター:quadral quSENSE® リボン型
ウーハー:180 mm φ quadral ALTIMA®
レベルコントロール:トゥイーター±2dB
外形寸法 (高さx幅x奥行):39 x 23 x 35 cm
重量:14.5 kg(1本)
価格:570,000円(税別・ペア)

kna_baka_syuzo

関連記事

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その9

アンプをAccuphase E-306Vから、 LUXMAN L-540に変えてみました。

記事を読む

オーディオセッション イン大阪2017 無事終了しました 

オーディオセッションin大阪が無事終了いたしました。 多くの方々に参考出品のAURUM MON

記事を読む

QUADRAL GALAN 9 試聴記 その14

GALAN 9の試聴の最後、 たまにはクラシック以外にと試聴に選んだのは、 アール・クル

記事を読む

AURUM RODAN9試聴記1

QUADRAL AURUM RODAN9の試聴をレポートします。 【スペック】 型式

記事を読む

QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その3

今回はLPで、 アンドレ・プレヴィン指揮ピッツバーグ交響楽団の、 エルガーやハーティが編

記事を読む

QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その8

夏は涼し気な音楽が聴きたくなってしまいますが、 ここは少し暑いともいえる EMIのオット

記事を読む

AURUM RODAN9試聴記5

RODAN9の前回の試聴では、アコースティックなソースでの試聴をしました。 ですので、今回は趣を変

記事を読む

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その1

今回から、 QUADRALのハイエンド・ブックシェルフ型スピーカー、 AURUM SED

記事を読む

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その12

親子二代にわたって指揮者、 兄弟も指揮者という、 珍しい存在がパーヴォ・ヤルヴィです。

記事を読む

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その16

ワーグナーの楽劇からの音楽は、 陶酔するような耽美的な部分があり、 ドイツの伝統的な器楽

記事を読む

QUADRALチーフエンジニア来日

先日、ドイツよりQUADRALのチーフエンジニアSascha Reck

オーディオセッション イン大阪2017 無事終了しました 

オーディオセッションin大阪が無事終了いたしました。 多くの方々

オーディオセッション2017 準備完了です

11月11日、12日、 大阪心斎橋ハートンホテルにて、「オーディオセ

QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その16

ワーグナーの楽劇からの音楽は、 陶酔するような耽美的な部分が

NWJ CLUBプレゼントキャンペーン抽選会実施!!

  プレゼント応募期間が10月31日に終了いた

→もっと見る

  • 住所
    〒559-0031123
    大阪府大阪市住之江区南港東1-2-16
    ネットワークジャパン株式会社


PAGE TOP ↑