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TGTS01 試聴記 その9

公開日: : 最終更新日:2020/08/26 試聴記, CLASSIC, SOUND MAGIC


TGTS01は8月21日から発送可能です。
小生が試聴に使っているのは試作品です。
発送前のTGTS01も試聴しましたが、試作品よりもずいぶんといいですね(^^)。
なお、SONIC IMPACTというブランド名での発売です。

LPレコードの最盛期、
オーディチェック用レコードや、
高音質を謳ったレコードが数多くリリースされていました。
45回転30cmLPとか、
色々な周波数別の信号音が入ったレコードとか。
それに高品質マイクで録音した、
環境音などの生音のレコードもたくさんありました。
川のせせらぎや海の波の音を録音したレコードは割と一般的で、
他にも、自衛隊の戦車の実弾射撃の音を収めたレコードとか、
蒸気機関車何連結のシュッシュッポッポッ!のド迫力のレコードとか、
いろいろありました。
復元されたゼロ戦を飛ばした録音のレコードを持っている友人がいて、
2chステレオ録音ながら、
マトリックス6chで再生して聞かせてもらったら、
ゼロ戦が部屋の広さに束縛されることなく飛び回る音に目を回したりしました。
あれ、バイフォニック録音だったのだろうか?

小生もいくつかそういうレコードを持っていましたが、
今はもう手放してしまったのでほとんど手元にはありません。
でも、懐かしいですね。
今回取り上げるのは、
そういう高音質を謳ったレコードのうちの1枚です。
普通の33回転30cmLPですが...。

スタンリー・ブラック指揮
ロンドン・フェスティバル管弦楽団
スペクタクラー(映画音楽集)
スタンリー・ブラックはイギリスのライトクラシックや、
ムード音楽の編曲者、指揮者として大きな人気を誇っていました。
映画音楽も数多く作曲しました。
スタンリー・ブラックの録音は、
DECCA(日本ではLONDON)のPHASE4の優秀録音が多く、
マルチモノながら、
オーディオチェック用レコードとして使っていた人が多かった記憶があります。
このシリーズは、マントヴァーニ・オーケストラや、
そのスタンリー・ブラックの録音を、
高音質レコードにした...というオーディチェックを兼ねたLPでした。
収録されている曲数は少なく、
収録時間に対するCPはあまりよくないですが、
余裕を持ってカッティングしてあります。
実は、昔聞いていた時、
まだレコードプレーヤーに付属していたゴムのターンテーブルシートの時には、
いい音だな...とは思いつつ、
音に歪が出たりして、あまりいい印象はありませんでした。
ところが、今回47LABの1mm豚皮シート、
TGTS01で試聴、
歪が全くなく、
リニアリティ抜群でLP1枚を聞いてしまいました。
マルチモノ録音ですから、
ワンポイントマイク録音などの自然な音場感というより、
各楽器の音を左右のスピーカーに適度に振り分けてあります。
ミキシングエンジニアの腕の見せ所ですね。
最初の「パットン大戦車軍団」から驚かされますが、
「その男ゾルバ」の盛り上がる音楽は素晴らしく、
「ベン・ハー」の巧みな編曲ともども、
スタンリー・ブラックの音楽を堪能しました。
音に歪みがない...ということは、
ストレスなく音楽を聞けるという意味で大切です。
オーディオチェック用の高音質レコードは、
何枚かあってもよいですね。
こういうレコードで歪が出れば、
何らかの対策が必要ということになりますから。


次は恨み骨髄のレコード
グスタフ・レオンハルト フランス・ブリュッヘン他
テレマン:ターフェルムジーク
レオンハルトとブリュッヘン、
その他の奏者によるテレマン:ターフェルムジークは、
2枚組で第3集まであります。
すでに、だいぶ前に手放しましたが、
今回、運よく中古盤で第1集から第3集まで全てが揃いました。
TELEFUNKENの国内盤です。
買い直しですね。
なぜ恨み骨髄かというと、
小生、この第1集のレコード、
ずーっと左右逆にマスタリングされたと思っていたからです。
第1ヴァイオンが一番右端から聞こえ、
通常のストコフスキー配置とは逆に、
右から左に弦の高音楽器から低音楽器が並んで聞こえます。
ありゃぁ、これは左右逆だなぁ...と、
スピーカーの左右を入れ替えたり、
カセットテープに左右逆に録音したりと、
普通の音場感で聞こえるように涙ぐましい努力をしていました。
ところがごく最近、
音楽ファンの方から、
「ターフェルムジーク」録音風景の写真を見せてもらうことできました。

なんと!
一番右に第1ヴァイオリンがいて、
どうしてそういう配置にしたのか分かりませんが、
LPの音場通りの楽器の並び方ではありませんか。
写真が左右逆じゃないか...と写真をしげしげ眺めても、
楽器の持ち方は正常です。
あれまー、今まで何をしていたんだろう?
という結果でした。
最初に録音風景を見ていたら、
こういうおバカなことはしなくてよかったんですけどね(^^;。
第1集から第3集までのジャケットを見ても、録音風景はありませんでした。
TELEFUNKENの音は、
他の録音を聞いても、通常、硬めに聞こえますが、
イコライジングカーブを変えることで、
柔らかく瑞々しい音が得られることがあります。
このターフェルムジークも結果は良好です。
それに、やはりTGTS01の威力は抜群で、
昔、このLPを聞いていた時とは随分と違う、
各楽器の分離は抜群にいいものの、
バラバラではない、柔らかくて美しいハーモニーを聞くことができました。
LP最外周から最内周までのリニアリティも素晴らしいものがあります。
47LABの豚皮シートの効果もありますが、
ガラスのターンテーブルシートの音は硬いのではないか?
という通念が見事にひっくり返されます。

いろいろやってみるもんだなと思います。

どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら

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