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AURUM RODAN9試聴記7

公開日: : 試聴記, CLASSIC, QUADRAL, RODAN9

AURUM RODAN9の試聴は、Classicのアナログのダイレクトカッティング盤、3枚をチョイスしました。
オルガン曲1枚、オーケストラ曲2枚を聴き、レポートします。

 

①マイケル・マレイ「Playing The Great Organ In The Methuen Memorial Music Hall Volume I 」(TELARC US盤)
1977年 マサチューセッツ メシュエン・メモリアル・ミュージック・ホールでの録音

マイケル・マレイは、アメリカ人オルガニストで、ソリストとして多く北米ののオーケストラと共演。TELARCレーベルでもバッハ、フランクを中心としたアルバムを十数枚リリースしています。中でもオーマンディ指揮の「サン=サーンス:交響曲第3番」は、優秀録音盤としてオーディオマニアの愛聴盤にもなっています。
TELARCは、クリーヴランドに本拠地を置くレーベルですが、初期はこのアルバムを含めて2枚のダイレクト・カッティング盤をリリースしました。クラシック音楽のレーベルとして、録音エンジニアのジャック・レナーとプロデューサーのロバート・ウッズのコンビで当時最高スペックのデジタル録音機を導入し、数々の優秀録音盤で名を馳せたレーベルです。少数マイクセッティングや過度なリミッターやイコライザーの処理を排した制作で"テラーク・サウンド"という独自の音作りがなされていました。
本盤以外でのお勧めのアナログ盤としては、「サン=サーンス」の他にマゼールの「チャイコフスキー:交響曲第4番」「ベルリオーズ:幻想交響曲」、小澤の「ベートーヴェン:交響曲第5番」、カンゼルとシンシナティポップスの「チャイコフスキー:1812年」が有ります。「1812年」に関しては、際物に近くカッティングレベルの非常に高い、大砲の大振幅を再生できるか否かがオーディオマニアの間で話題になったことで有名です。

このアルバムは、TELARCの2作目かつ最後のダイレクトカッティング盤です。1作目のマゼール盤に比べ全体的に抜けが良く聴感的な周波レンジも広いのが特徴です。
私自身、オルガン曲のアルバムは、総じて低域のヴォリューム過多のマスタリングが多いように感じられ、圧倒されるものの次第に飽きが来てしまうものが多かったのですが、このアルバムは、低域の量感よりも低域の伸びが有り、最低域まで捉えられていて、それをRODAN9のウーファーが見事に再生しています。
ジャケットの解説を見てみると、ノンマルチ録音、ノンリミッター、ノンフィルター、ノンイコライジングで、テストカッティング盤により16Hz-20kHzの特性を記録した旨が有りました。
RODAN9では、左右のパイプが繰り出すポリフォニーが気持ちよく再生され、セパレーションと定位感がしっかりしている点を確認できました。オルガンの音色についても低い周波数から倍音を含む高い周波数の音まで余すことなく再生し、中高域のピーキーさも感じませんでした。RODAN9のバランスの良さがここでも発揮されています。

 

②アーサー・フィドラー&ボストンポップス「Capriccio Italien…」(CRYSTAL CLEAR RECORDS US盤)
1977年 ボストン・シンフォニー・ホールでの録音

私自身ボストン・ポップスが好きで、ジョン・ウィリアムズ指揮のタイトルを良く聴いています。フィドラー指揮のタイトルは総じて録音年代が古いこともあり、その先入観から長らく食わず嫌いをしていました。よって手持ちには、CHESKY RECORDS盤の「ラプソディ・イン・ブルー」他数枚しか有りませんでした。このアルバムは、彼のダイレクトカッティング盤という事もあり、期待を込めて購入したことを思い出しました。CRYSTAL CLEAR RECORDSも積極的にダイレクトカッティング盤をリリースしていたレーベルです。他にカルロス・モントーヤ、チャーリー・バード等のタイトルが有ります。
このアルバムは、フィドラー晩年の82歳での録音です。手慣れたオケ、ホールでの録音で、妙な緊張感を感じさせず、派手さの無いいぶし銀のような演奏です。
RODAN9では、冒頭の金管楽器のファンファーレが、左右から高らかに鳴り響き、少し重さのあるヴァイオリンとチェロの弦楽がゆったりとした旋律で響いています。背景は、少し埃っぽさを伴ったホールトーンが良く出ています。シンバルやグランカッサが最後尾から聴こえ、奥行感も十分感じられます。
タンバリンの音も金管やグランカッサの情熱的な大音量に埋もれることなく、良く捉えられています。

 

③エーリヒ・ラインスドルフ&ロサンジェルス・フィルハーモニック「Prokofiev:Excerpts from the Ballet;Romeo And Juliet」(SHEFFIELD LAB US盤)
1977年 カルフォルニア MGMスタジオ での録音

SHEFFIELD LABは、マスタリングエンジニアのダグ・サックスが創設者の一人。レジェンド的なエンジニアで彼のLABでのマスタリング盤には、 run-off 部分に"TML"の刻印が施されるだけで価値が出るほどです。ダイレクトカッティングレコーディングのパイオニアでもあり、SHEFFIELD LABのダイレクトカッティング盤も未だ高い人気を誇っています。
SHEFFIELDは、クラシックのみならずジャズやポップスダイレクトカッティング盤のタイトルが有ります。ハリー・ジェームス、デイヴ・グルーシン、ジェームス・ニュートン・ハワード等が有名です。
このアルバム、ライナーノーツにMGMの映画音楽専用スタジオで録音されたとあります。大きな箱のようで、100人余りの楽員が入っても、もう一組は入れるスペースがあったとの事。スタジオの音響についてもロサンジェルス・フィルの楽員に好評だったとの話です。
一聴してカッティングレベルが高く、各楽器が明瞭でエッジがきれいに出ています。まさにダイレクトカッティングならではの好録音盤です。
RODAN9では、「騎士たちの踊り」の金管楽器のの分厚い和音と帯上がりの鋭い打楽器の音色が聴けました。豪華で華やかな録音がストレートに感じられ、奥行は足らないもののオケとの距離感が近く、指揮台の上で聴いているかの様で圧巻でした。

今回RODAN9での試聴では、3枚のダイレクトカッティング盤の広い周波数レンジ感とダイナミックレンジ感、音圧感を余すことなく聴かせてくれました。

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