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QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その9

公開日: : 最終更新日:2017/08/15 ASCENT20LE, CLASSIC, QUADRAL, 試聴記

ASCENT20LEの試聴も残り少なくなってきましたが、
今回は声楽を聞いてみました。
フランスの名花レジーヌ・クレスパンのベストアルバムです。
このCDのジャケットではその美しさが十分伝わってきませんが(^^;、
他の画像やスリーヴを見ると大変な美人で、
「天が二物を与えた人」のひとりだな、
と思えます。

クレスパンはそれほど知っていた歌手ではないのですが、
ハンス・クナッパーツブッシュのバイロイトでの「パルジファル」で、
1958年、1960年の2回、クンドリーを歌っています。
クンドリー歌手として常連であったマルタ・メードルのような、
深い音楽表現はありませんが、
クレスパンの正確な音程と歌声に、
いっぺんにファンになってしまったのでした
(最初のリハーサルではクナッパーツブッシュのテンポと合わず、
クナッパーツブッシュから何時ものひどい言葉で罵倒されたそうですが、
クレスパンはクナッパーツブッシュのドイツ語が分からなかったそうです^^)。
クレスパンはショルティの「ばらの騎士」の伯爵夫人、
同じくショルティの「ワルキューレ」でもジークリンデを歌っています。
その他、ロンバールの「カルメン」などもあります。

クレスパンの特徴は、
正確な音程、
柔らかな歌声、
コントロールの効いたビブラート、
ドラマチックな歌唱からリリックな歌唱まで実に幅の広い表現力、
などが挙げられます。

“The Very Best of …”と題された2枚組のCDは、
フランス・オペラからの抜粋、
フォーレなどのフランス歌曲、
ワーグナーの歌劇からの抜粋とヴェーゼンドンクの歌、
シューマンの歌曲、
そして、ヴェルディとプッチーニのイタリア・オペラからの抜粋と、
ほぼクレスパンのレパートリーを縦断する形でまとめられています。
どれも名唱で、
クレスパンの実力がいかにすごかったか、
分かるような内容になっています。

ASCENT20LEで試聴、
クレスパンの柔らかな歌声がそれこそ降り注ぐようで、
至福の時間が得られました。
CDプレーヤーPIONEER PD-T06は、
20KHz以上の音を独特の方法で再現するCDプレーヤーですが
(レガートリンクコンバーションと言います)、
倍音がきれいに載り、
高域特性にすぐれたASCENT20LEでは、
クレスパンの歌声が美しく再現されてゆきます。
これは、録音の差もあるでしょうが、
大方の歌手の録音でも有効だと思います。
また、SACDやハイレゾ音源でも、
ASCENT20LEはオーケストラや室内楽、独奏曲だけではなく、
人の歌声にも、
かなりの威力を発揮するスピーカーであることが分かります。

フランス・オペラやフランス歌曲はもちろん、
ワーグナーの抜粋や歌曲集、
イタリア・オペラのどれもが素晴らしいです。
「パルジファル」より「幼子のあなたが母に抱かれているのを見た」の
危険な色気にはゾクゾクします。
「ヴェーゼンドンクの歌」は数ある同曲の録音の中でも、
ベストに近い出来です。
さらに、フォーレ「夢のあとに」や「月の光」の素晴らしさは、
筆舌に尽くしがたいほどです。
カントルーブ「オーヴェルニュの歌」からの2曲の表現力も凄いですね。
凄い歌手だったんだな、
と改めて思います。

後で気が付いたのですが、
このCDに含まれるほとんどの管弦楽の指揮が、
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで人気に火が付き、
今年初旬、惜しくも亡くなったジョルジュ・プレートルでした。
プレートルは1970年万博クラシックの時にパリ管弦楽団と来日、
小生も聞きにゆきましたので(マーラー/交響曲第1番など)、
ひじょうに懐かしい指揮者です。
特に、その後プレートルのオペラの指揮にあれこれ接したのですが、
歌手の呼吸に合わせるのが実に上手い指揮者でした。

ついでに他の歌声も聞いてみようと、
1昨年リリースされた元モーニング娘の「なっち」こと、
安倍なつみがミュージカルナンバーなどを歌った、
「光へ...」というアルバムも聞いてみました。
NHKドラマ「坂の上の雲」の主題歌「STAND ALONE」、
同じくNHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」の主題歌は、
オリジナルの歌手による録音の方が、
表現力は遥かに凄い...ということは分かっているのですが、
安倍なつみのCDではその録音が自然で、
よく、オーディオ機器の評価に使いました。
結果は極めて良好、
「STAND ALONE」のスケールの豊かな管弦楽、
「カーネーション」冒頭の
オルゴールの音を模したグロッケンシュピールの音色や、
安倍なつみの息遣いがしっかりと聞こえ、
高域特性が優れているスピーカーにたまにある、
「サシスセソ」が変に強調されることもなく、
なおかつASENT20LEでは聞き疲れがしません。
スピーカーを意識しないで、
それぞれの歌の世界に入り込むことができました。


ASCENT20LE
【スペック】
ASCENT 20LE (アセント20LE)
型式:2ウェイ
基本デザイン:バスレフ型
入力:定格60W/最大90W周波数特性(Hz):40~46,000Hz
クロスオーバー周波数(Hz):2.700Hz
能率(dB/1W/1m):86dB
インピーダンス(Ω):4~8Ω
ユニット構成:Tweeter φ25mmAluドーム型トゥイーター
Woofer φ135mm Titanium-PP
サイズ:H30.9cm×W17.7cm×D27.0cm
重量(kg)1台:5.15kg
ターミナル:ゴールドコンタクト シングル・ターミナル
価格:ペア 138,000円(税別)
仕上げ:マットブラック

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