QUADRAL ASCENT20LE 試聴記その2
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ASCENT20LEが我が家にやってきて、
試聴を開始したのですが、
最初は置き方が悪かったのか、
いまいちその性能が発揮できていませんでした。
まず、インシュレーターなし、
次に平べったいデュポンコーリアンのインシュレーター、
そして、スパイク付のデュポンコーリアンを敷いてみました。
デュポンコーリアンは人造大理石のことです。
違いは歴然、
スパイク付デュポンコーリアンで、
これほど音が変化して良くなるとは思いませんでした。
フロア型や大型ブックシェルフとまでは行きませんが、
低域がズドン!と出て(ドンシャリのドンとは異なります)、
高域ものびやかです(ドンシャリのシャリとは異なります^^;;;;)。
低域から高域までのつながりが自然で、
安心してさまざまな音楽を聞くことができます。
さらに、ASCENT20LEは前面のバッフル面が大きく、
後ろはすぼんだ形になっています。
4個だとむしろ不安定で、
インシュレーターを1個減らして、
3個のインシュレーターにすると...
あな不思議やな、というくらいスピーカーが安定し、
音も好ましい方向に変わりました。
GALAN 9と比較すると、
より分析的な聞き方が可能であったGALAN 9に比べ、
ASCENT20LEはそれほど凄まじい解像度ではありませんが、
他の同価格帯のスピーカーに比べて、
かなりの解像度と分解能を持っていることが分かります。
それでいて高域がまろやかで聞き疲れがしません。
小生はオペラや交響曲など、
物理的に時間が長い音楽を聴くことが多いので、
これは非常にうれしいスピーカーです。
クナッパーツブッシュDECCA盤「ワルキューレ」第1幕はお約束ですので、
まずそれから(^^;。
前奏曲のコントラバスの「ズン!」という響きは少し軽めながら、
スピーカーのサイズを考えるときちんと出ていて好感が持てます。
なにより各楽器のブレンド感が抜群によく、
かなりの分解能ながら、
突出した箇所がありません。
非常に気持ちよく、
各楽器や歌手の優れた分離具合と音場感を聞くことができます。
また、高域特性が46,000Hzまで伸びていますので、
フラグスタートやスヴァンホルムの歌声も気持ちがいいですが、
むしろ、倍音成分が豊かになって、
弦楽器の厚みが増し、歌手歌声も潤いをもって聞こえてきます。
バスのアルノルト・ヴァン・ミルの歌声の凄いこと!
これは特筆に値します。
ミルの迫力のあるバスには陶酔してしまいました。
第1幕終結部ではカタルシスが味わえました。
実はDECCA盤「ワルキューレ」第1幕のCDには、
最近、GRAND SLAMから、
2トラ38のオープンリールテープからCD化された、
ひじょうに優れた音のCDが出ています。
これは凄いです。
音が3Dを見ているように立体的で、
高域も低域も、どこまでも伸びているように聞こえ、
それでいて音像がビシっと決まります。
さらに、もっと古いCD、
常にリファレンスにしている(今回も)POLYGRAM社製の前の、
日本のキングレコードによるCDも聞いてみましたが、
ASCENT20LEでその真価を十分に発揮、
同録音のどのCDを聞いても、
しっかりと再生してくれました。
ASECNT20LEは、
クナッパーツブッシュのDECCA盤「ワルキューレ」第1幕で、
常用スピーカーとして見事に合格でした。
ASCENT20LE
【スペック】
ASCENT 20LE (アセント20LE)
型式:2ウェイ
基本デザイン:バスレフ型入力:定格60W/最大90W周波数特性(Hz):40~46,000Hz
クロスオーバー周波数(Hz):2.700Hz
能率(dB/1W/1m):86dB
インピーダンス(Ω):4~8Ω
ユニット構成:Tweeter φ25mmAluドーム型トゥイーター
Woofer φ135mm Titanium-PP
サイズ:H30.9cm×W17.7cm×D27.0cm
重量(kg)1台:5.15kg
ターミナル:ゴールドコンタクト シングル・ターミナル
価格:ペア 138,000円(税別)
仕上げ:マットブラック
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